2009年11月25日水曜日

2009年度 C&C賞 表彰式典

本日(11月25日)は、赤坂のANAインターコンチネンタル東京で行われた掲題の式典に出席しました。

C&C賞は情報処理技術および通信技術の融合(Computers and Communications)の分野で顕著な貢献のあった方々を表彰するもので、原則毎年2件以内に対して、表彰状、賞碑、及び賞金(1件について1,000万円)が贈呈されます。

1985年にスタートしましたが、世界的に著名な方の受賞講演を間近で聴くことができる貴重な機会であり、2006年以降出席しており毎年この時期を楽しみにしております。

今年は、次のグループが表彰されました。

Group A:坂倉 文忠 博士

対象業績:音声分析合成による高能率音声符号化技術の 先駆的研究。現在の携帯電話、VoIP等の普及に 欠かせない基盤技術です。

Group B:ロナルド L.リベスト教授、アディ シャミア教授、レ オナルド M.エーデルマン教授

対象業績:公開鍵暗号方式RSAアルゴリズムの発明。RSAは 3氏の頭文字に因んでいます。素因数分解の計 算複雑性に着目したものです。普段なにげなく使 っているVeriSignはこの技術に基づいています。 3氏はノーベル賞と同クラスの賞とされるチュー リング賞を2002年に受賞しています。因みにチュ ーリングはチェスを趣味にしていたようです。

今年のノーベル物理学賞を受賞した3氏のうちチャールズ・K・カオ氏は1987年に、ウィラード・ボイル氏とジョージ・エルウッド・スミス氏1999年にC&Cを受賞しています。

UNIXの開発で有名なケネス・トンプソン氏はチェス・コンピュータの開発やエンドゲームのテーブルベースの開発でも有名で1983年にチューリング賞を1989年にはC&C賞を受賞しています。ベル研の同氏の机の上にチェス盤が置いてある写真を見た覚えがあります。2001年にC&C賞を受賞したアラン・ケイ氏は2003年にチューリング賞を受賞しています。

このような科学技術の具体的成果が出るには30年~40年かかるケースも多く科学技術を事業仕分けによる安易な判断で廃止や予算削減にして欲しくないと思います。

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